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DQIレビュー


記念すべき第一作

 ドラクエシリーズの記念すべき第一段。筆者はリアルタイムでプレイしていないため、当時の状況をもとに考察するのは不可能だが、漫画「ドラゴンクエストへの道」を読めば、FCユーザーにRPGのシステムを理解させることを目的とした作品であることはなんとなくわかる。 ゆえに、本作品は意図的に単純さを追求しているため、ストーリー、システム云々で議論すべきではないことは言うまでもないが、敢えて簡単に考察するとすれば以下のようになるだろう。


 (写真)
 「ドラゴンクエストへの道」によれば “ゲームの世界をこわすギャグ ”は不要であるらしいが…。
 同時代のゲーム事情について書かれた様々な批評を読んでみれば、FC初の本格的RPGはDQIといって問題ないだろう。本作の総容量は0.5メガビット(=64キロバイト)である。この小容量のROMカセットでRPGを作る事そのものが、まず並大抵の事ではなかったと思われよう。多くのテキスト情報が必要となるにもかかわらず十分なグラフィックと音楽による演出があり、エンディングのスタッフロールまで導入されているのには驚かされるばかりだ。またRPGというゲームの性質上必然ではあるが、FC史においてはパスワードを導入した先駆的作品ともいえる。

後のDQシリーズの原型

 では、本作は具体的にどのようなスタイルが採用され、以降のドラゴンクエストに影響を及ぼしたのであろうか。前述の「ドラゴンクエストへの道」によれば、DQIは先行RPGであるウィザードリィとウルティマを原型としたうえで、いくつかの独自のポリシーを加えたスタイルを採用したようである。特に重要なポリシーとして、意図的にアクション要素は取り入れなかったようだ。このアクション要素を排除するという姿勢は、以降のDQシリーズでも極めて強く反映されている。また、ウィンドウ形式を導入した画面構成も、若干の変更はあるもののシリーズを通して統一されているのには驚かされる。そして、ストーリー上の重要な点としては、プレイヤー=主人公という関係が挙げられるだろう。 こうしたDQシリーズの核となる部分は、本作品で構築されたわけであるが、階段コマンドや、装備品売却、移動中の戦闘呪文などDQII以降で消えたシステムも多々あり、試行錯誤の段階であったことも十分に伺われる。

 そのほかにも妖精の笛を使わずにゴーレム相手に挑んだり、姫を救出せずにエンディングを向かえるといった、再プレイの際に違った楽しみ方のできるイベントが既に存在しているのも興味深い。


 (写真)
 「ぐぶっ」はDQII以降定式化される死亡時のセリフ「ぐふっ」の原型と思われる。システム面以外でも、シリーズ化の基礎がみえる。

今プレイするとなると…

 ゲームバランスは現在のゲームと比べると、やや単調でLV上げ及び資金集めが困難…と感じるところではあるが、これは相対的評価により決定されるべきものであるため、当時の事情を把握せずに簡単に決め込むのは難しい。とはいえナンセンスではあるものの、あえて今プレイしてみたらどうなるか考えてみれば、やはり何か意気込みのようなものがないと、通してプレイするにはきついものがある。特に中盤がやや短調に感じられ、かくいう筆者も高校生の頃に挑戦するもメルキド到達のためのレベル上げに挫折した。この中盤の単調さを補うかのように、竜王の城では無人の玉座、意外な取引、変身…といった展開が立て続けにおこることを付け加えておこう。

追記(2006年7月)

 つい先日、初めて本作を通してクリアした。深夜のサッカー中継(CLやW杯)の待ち時間の暇つぶしに、少しずつ進める方向でプレイしていた。やはり山場はガライの墓クリア後。死霊の騎士は薬草がないと倒せないが何とか銀の竪琴は入手したという状況下では、レベル上げ以外の目標を見失ってしまう。その解決方法は効率のよい経験値稼ぎ場所を探すことにあるようだ。最も効率のよい場所の解答が重要なのではなく、探す行為そのものが「飽き」という最大の敵に打ち勝つ秘策。Gが溜まったら無理してメルキドまで冒険し装備品を買うことで、効率のいい場所もまた変わってくる。
 効率のいいLvアップ場所は…?
 ラダトームから最短歩数でドムドーラに行った場合、死霊の騎士や影の騎士の出現地帯を回避できる。また、ドムドーラ付近にはゴールドマンが出現することもあり、このルート内では比較的安全にGを稼ぐことができる。その後はメルキドクラスの装備が整ったらメタルスライム出現地帯を中心に活動し、ベホイミを覚える前後にメルキドに拠点を移すというのが私なりの答え。メルキド付近では、役に立たない呪文と思っていたベギラマの威力も十分に堪能できた。これは他人の復活の呪文を利用していたのでは分からない、微妙なバランスといえそうだ。

勇者名         :ぺん(HP・MP優先型)
クリアレベル      :Lv20 
同日内の最長プレイ時間 :90分
総プレイ時間      :16時間25分 
購入した装備品     :竹ざお以外すべて 
書き取った復活の呪文の数:18 
復活の呪文書き間違え回数:0 
全滅(?)回数     :4回(うち1回はリセット) 
最後に書き取った呪文  :ざえぶぐは ぜぎねべべいお まばずぼじ やきわ(Lv19)

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